アメリカの名門大学である、MIT、カリフォルニア工科大学、ハーバード大学などが、合格率が一般的に6-7%であることを考えると、イギリスの名門大学、ケンブリッジの合格率は極めて高くなっています。何故なのでしょうか?

 

ケンブリッジ大学

 

主に二つの理由が考えられます。

 

理由1.

UCAS ロゴイギリスの大学に出願するためには、前述のUCASというシステムを通して出願する必要があり、このシステムでは、受験者は5校までしか出願が許されません。従って、みな出願校の選択に慎重になり、合格の可能性が低い大学には出願をしないという選択をする学生が多く、「ダメもと受験」が減ります。出願者の絶対数(分母)が減った結果、合格率が高くなると考えられます。

 

理由2.

イギリスの名門大学はminimum entry requirements(出願への最低条件)を、極めて明確に明示しており、ケンブリッジやオックスフォードやではその基準も高いものです。

勉強中のデスク

例えば、後述する「APテスト○○点必須」という風に、出願資格が高いバーで設定され、しかもそれが必須、とされているのです。ゆえに、そもそも出願資格のある学生が限られてしまい、記念受験的な出願が著しく少ないのです。

これはアメリカの名門大学と大きく異なります。アメリカでは、一つ二つの必須項目が満たされていなくても、他に長けている要素があれば、目をつぶってくれる事が往々にしてあります。そうなると、必須項目を満たしていなくても出願する生徒が増えるのですが、イギリスでは「必須」が、本当に「必須」なのです。

 

理由3.

イギリスでは大学に入学をするかなり前に専攻を決め、高校の段階で自分の専攻科目をすでに履修していきます。従って、イギリス国外で教育を受けた学生は、高校を卒業後にFoundation courseという1年間のイギリスの大学入学に必要なコースを履修する必要があります。

オクスフォード大学

これはイギリス国内、日本国内どちらでも履修することができます。ほかの方法として、一度日本の大学に入学をして受験する方法もあります。この方法だとFoundation courseを履修する必要がありません。このように、入学資格を得るためにはコスト・時間の両方が必要で、気軽に受験できるものではなく、出願している留学生はそれ相当の準備をしてくるのです。

オックスフォード大学、ケンブリッジ大学の両方に出願することができません。